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孤舟_h24.02.24

 

 「孤舟」は、渡辺淳一氏著の小説です。h22年秋に出版され話題になりました。
内容は定年男が陥る孤独を描いたものですが、私はその内容もさることながら「孤舟」という題名がどこから名づけられたのかに興味がありました。

 本の中では、図書館に行って、横を見ると顔をつっ伏したまま眠っている男性を見た主人公の威一郎が、《「孤舟」という言葉を思い出して目を伏せる》というように書いていました。

 私は、孤舟を高校のとき習った漢文の中で読んだ記憶がありました。
それで当時の漢文の本を取り出して探してみました。

 陶潜(陶淵明)の帰去来辞の中に、「孤舟に棹さす」とあります。 ここでは、小舟に棹をさして田んぼに出かけるという意味ですが、小説ではそうではなくて「一つだけぽつんと浮かぶ舟」をいっています。
意味は違いましたが、孤舟ということから保存していた高校時代に使った漢文教科書を手に取ることができてよかったです。


 現役の高校生の皆さん、教科書を置いておくと、このように触れ合うことができるかもしれませんですよ。

 2012(h24).02.24  G.Kitoh

      
      
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